うまなり 第10回CSR構想インゼミ 全体写真2020

第10回CSR構想インターゼミナール

  • 日時:2021年1月9日(土)
  • 場所:オンライン方式(ZOOM使用)
  • 共通テーマ:「CSR with & after Covid-19――新型感染症に起因する社会課題と責任ある企業経営」
  • 主催:CSR構想インターゼミナール実行委員会
  • 後援:日本経営倫理学会
  • 参加:全国4大学4ゼミ

審査と表彰

研究発表

  1. 独創性
  2. 分析のち密さ
  3. 整合性
  4. 倫理的考察
  5. 発表上の工夫
  6. チームワーク
  7. うまなり CSR構想インゼミ2020 うまなり CSR構想インゼミ2020 うまなり CSR構想インゼミ2020
 第1発表        12時ごろ 集合写真・昼食休憩 13時~   

第1報告  長崎県立大学経営学部 津久井稲緒ゼミナール

「コロナ禍における企業の感染者情報開示の在り方に関する検討」

うまなり CSR構想インゼミ2020 長崎県立大学


ゼミ紹介
 
 私たち長崎県立大学経営学部、津久井ゼミは、「人と出会い、知と出会い、社会とつながる」を理念に、2~4年生37名でCSR論を中心に経営学を学んでいます。当ゼミは、学内他ゼミや他大学との討論会、学外の企業・自治体の協力のもとフィールドワークを行うなど、インプットとアウトプットの反復により学びを深めています。
 これまでは主にCSRに関する基本文献の輪読、学内・学外の討論会への参画、日本一のお茶のまち・東彼杵町のコーズプロモーション実践等を通じて、学んできました。2020年度前期は、コロナ禍でwebディスカッションをしながら、論文「Creating Shared Value」の原著にじっくり取り組みました。後期は、学内合同ゼミ発表会やCSR構想インターゼミナールへの参加を通じて、他大学・他学部学生との知的交流に積極的に取り組みました。
発表概要
 
 企業倫理論やCSR論では、企業のマイナス情報の開示について、ステークホルダーからの信頼を損なわないよう、スピードや詳細な情報開示が求められてきた。しかし、今般のコロナ禍における感染者情報開示については、従来とは異なり、個人情報やプライバシーの保護、パンデミック回避等の理由から、慎重な対応が求められている。2020年春、長崎県内ホテルが感染者の行動履歴や濃厚接触者などの具体的な感染者情報を公開したところ、社会から賛否両論が起こった。
 本研究では、新型コロナ感染症に関する国や自治体・業界団体等の情報公開ガイドライン、企業・団体等へのインタビューやアンケート調査を通じて、コロナ禍における企業の感染者情報開示の在り方を検討した。その結果、コロナ禍における企業の情報開示の在り方として、①事前準備と、②「誠実さ」の実践が重要であることを指摘した。 新型コロナ感染症は未だ収束せず、将来の新たな感染症の不安もつきない。本研究成果を、withコロナ社会の過度な不安や経済縮小を食い止めることにつなげていきたい。

第2報告  第2発表 南山大学経営学部 高田一樹ゼミナール

「航空業界の~そうだ、空港に行こう~」

うまなり CSR構想インゼミ2020 南山大学
ゼミ紹介
 
   私たち南山大学経営学部の高田ゼミは、経営倫理やCSR、FFPについて学んでいます。Nanzan Association for Business Ethics、通称「NABE」と、このゼミは呼ばれています。
   NABEでは、主に17つのSDGsに取り組む経営実践やCOVID-19への民間企業の対応について調べ、企業の社会的責任の意味を考えています。特にSDGsとCOVID-19の関わりについて、飲食業と接客業、通信業、航空業など幅広い業界の経営実践を学ぶ過程で、現代社会におけるSDGsの重要性を考えました。


発表概要
 
 新型コロナウイルスの影響により最も厳しい状況にあるのが、航空業界である。国境閉鎖や移動 制限の措置が取られたことで、世界の航空会社は大幅な減便を余儀なくされた。また、それによ り、空港の利用者は激減し、コスト削減のために働き手の大幅な人員削減も行われている。
 そこで、「旅の通過点としての空港」という「手段としての空港」から「楽しむための空港」という「目的としての空港」に変えていくべくだと考える。そして、空港をテーマパーク化することが私たちの発表テーマである。提案として、機内食を食べられるレストランの提供を挙げられる。そして、バーチャルを使った世界旅行や仕事体験、飛行機の倉庫などの見学ツアーも提案の1つとして挙げられる。

第3報告 東北大学経済学部 高浦康有ゼミナール

「新型感染症により露呈した、日本のジェンダー・ギャップを改善する企業の在り方とは」

うまなり CSR構想インゼミ2020 東北大学
ゼミ紹介
 
 私たち高浦ゼミは、企業倫理やCSR(企業の社会的責任)について学んでいます。 ゼミでは、主にグループディスカッションを行っています。CSRや企業倫理に関するテキストを読み、テキストの内容に関連した問いについて議論しています。グループごとでの議論や他グループの意見を聞くことによって、企業倫理やCSRの考え方や課題等について考察しています。 また、毎年夏期休業中に「研修」として企業への訪問を行っております。昨年は宮城県大衡村にあるトヨタ自動車東日本へ訪問させていただきました。担当者の方から直接お話を伺うことで、よりCSRや企業倫理への理解を深めています。

発表概要
 
 昨今、日本人の自殺者がコロナ禍以降増えているというニュースを耳にすることが多くなった。しかし海外のニュース記事を読んでいると「女性の自殺率」に関して取り上げられている記事はあまり見受けられない。では、日本でも女性の自殺者が大幅に増えたのは、「元々女性の社会的地位が低い日本の社会的課題がコロナ禍によって露呈したのではないか、元々の日本の社会構造の問題なのではないか」という仮説を立てた。その仮説検証とともに、現在の女性の社会的地位改善のために取り組みを行っている企業等を例としてあげながら、この社会的課題の解決に向けた包括的な提言を行う。この解決により、今後パンデミックが起きた際にも女性の自殺率の増加につなげないという効果が期待できる。

第4発表 大阪経済大学経営学部 杉本俊介ゼミナール

「志プロジェクト with & after COVID-19」

うまなり CSR構想インゼミ2020 大阪経済大学
ゼミ紹介
 私たちはビジネス倫理を研究対象としてゼミ活動を行なっています。 活動内容としては、グループでビジネス倫理の中で興味のあるテーマを決め、先行研究や本、新聞、また時にはゲスト講師の方をお招きしてお話を聞かせて頂きながら、内容をまとめプレゼンを行い、質疑応答や先生の助言などを通して理解を深めています。他にも、ゼミで使う教材に担当を割り振り、担当の人が作成したレジュメをもとに講義を行いました。
 また、ゼミでは毎年希望者を募って志プロジェクトにも参加しています。志プロジェクトでは、実際に直接社長や社員の方々にインタビューを行い、それをもとにCSRの要素を取り入れながら会社案内を作成しています。 ビジネス倫理は正解がはっきりとない広い分野です。そのため、時にはトロッコ問題などを用いて先生やゼミ生の様々な意見に触れることで、日々視野を広げています。

発表概要
 本発表では、コロナ禍でこそ中小企業がCSRを認知し展開することができるのではないか、と問う。まず、この問題の背景を説明する。先行研究によれば、日本の中小企業のCSR活動は地域貢献活動が多く、それが間接的にビジネスチャンスにつながっている。だが、CSRについての中小企業の認知度は低い。そこで、中小企業がCSRを認知し展開する方法として「志プロジェクト」を紹介する。志プロジェクトとは、富士ゼロックスを主幹とし、大学と企業を結ぶ地域人材育成プロジェクトである。具体的には、大学生が地元企業の会社案内を作成し、地域活性化や人材育成を目的としている。今年度はコロナ禍のなか、CSRの要素を取り入れて会社案内を作成した。本発表では、コロナ禍における中小企業のCSRを展開する方法として、このプロジェクトの意義と課題を示していく。

表彰と懇親会

最優秀賞 東北大学経済学部 高浦康有ゼミ