> うまなり[Home] / BOPビジネス(低所得者・貧困層対象事業)
Base/Bottom of Pyramid Business
()(江橋 編, 2009, p.100) >top
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(2005). The Fortune at the Bottom of the Pyramid. Upper Saddle River, N.J. : Wharton School Pub. (=2005 スカイライトコンサルティング 訳 『ネクスト・マーケット――「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略』, 英治出版→ 2010 増補改訂版) ◆ラーマン,アシフル・アハメッド,アシル・大杉卓三 (2010) 「バングラデシュにおける大規模マイクロファイナンス機関の事業拡大の課題と展望――グラミン銀行、ASA、BRACの事例より 」, 『九州大学アジア総合政策センター紀要』,4, 85-93. → pdf(QIR) ◆佐藤寛 (2009) 「(特集 BOPビジネスの可能性) 」, 『アジ研ワールド・トレンド』, 15(12), 2-33. ◆佐藤寛 編 (2010) 『アフリカBOPビジネス――市場の実態を見る』, ジェトロ ◆澤田貴之 (2010) 「複合事業体としてのBRACとグラミン銀行――バングラデシュのBOPビジネスの事例を中心として 」, 『愛知大学国際問題研究所紀要』,136, 197-216. ◆Schiller, Bradley R. (2007). Economics of Poverty and Discrimination, The 10th Edition. Prentice Hall. (= 2010 松井範惇訳 『貧困と差別の経済学 原著第10版』, ピアソン) ◆菅正広 (2008) 『マイクロファイナンスのすすめ―貧困・格差を変えるビジネスモデル』, 東洋経済新報社 ◆菅正広 (2009) 『マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」』, 中央公論新社 ◆菅原秀幸 (2009) 「BOP ビジネス――日本企業の特性と可能性 」, 『北海学園大学経営論集』,7(2), 99-11 ◆Sullivan, Nicholas P. (2007). You Can Hear Me Now: How Microloans and Cell Phones are Connecting the World's Poor To the Global Economy. Jossey-Bass. (=2007 東方雅美・渡部典子 訳 『グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換』, 英治出版) ◆菅原秀幸 (2010) 「Japanese Business in the BOP Market: Sources, High Potential and Some Issues(分権型社会における地域自立のための政策に関する総合研究(II)) 」, 『開発論集』,85, 25-46. → pdf(CiNii) ◆菅原秀幸 (2010) 「BOPビジネスの源流と日本企業の可能性」, 『国際ビジネス研究 』,2(1), 45-67. ◆鈴木豪 (2010) 「企業特集 味の素――1円で「味の素」を販売 現地化徹底で途上国BOPを開拓」, 『週刊ダイヤモンド』, 98(16), 108-111. ◆週刊東洋経済 (2010) 「日本企業の「アフリカBOPビジネス」最前線 (徹底解明! 地球最後の新興市場 アフリカの衝撃) 」, 『週刊東洋経済』, 6240, 56-63, ◆高橋雅央・木原裕子 (2010) 「BOPビジネスとは何か」, 『Business research』,1035, 78-87. ◆高橋暢雄 (2010) 「転換期における能動的経済活動――CSRから国際連帯税へ」, 『武蔵野短期大学研究紀要』,24, 9-19. ◆高岡伸行 (2010) 「BOPビジネスモデルの編成原則の探求」, 『和歌山大学経済学会研究年報』, 14, 399-416. → pdf(CiNii) ◆高山丈二 (2010) 「企業収益の確保と社会課題の解決--BOPビジネスの取組み 」, 『レファレンス』,60(6), 27-48. ◆田原総一朗 (2011) 「世界を変える「BOPビジネス」の新潮流。(新連載・1)」, 『潮 』, 623, 80-87. ◆田原総一朗 (2011) 「世界を変える「BOPビジネス」の新潮流(2) 山口絵理子――「途上国発のブランド」で世界に勝負を挑む。」, 『潮 』, 624, 142-149. ◆坪井ひろみ (2006) 『グラミン銀行を知っていますか―貧困女性の開発と自立支援』, 東洋経済新報社 ◆槌屋詩野 (2009) 「BOP市場戦略にみる「新世代企業」考――新興国・低所得層市場戦略の成功と失敗から」, 『Business & economic review』, 19(12), 254-269. ◆塚越 由郁 (2010) 「BOP市場への道を拓く (アジア中間層 8.8億人"新内需") 」, 『エコノミスト』, 88(20), 39. ◆取出恭彦 (2010) 「今月のR&D最前線 BOPビジネス,ソーシャルビジネスとイノベーション」, 『研究開発リーダー』,60(717), 58-59. ◆上地球二 (2010) 「KDDIの新たなグローバル戦略--成長市場であるBOP市場への参入」, 『ITUジャーナル』,40(7), 37-39. ◆宇高衛 (2010) 「海外通信・放送の動向 開発途上国における携帯電話サービス市場の開拓――BOPビジネスへの挑戦」, 『ITUジャーナル』,40(7), 47-51. ◆United Nations Development Programme [UNDP]. (2009). Creating Value for All: Strategies for Doing Business With the Poor. (= 吉田秀美 訳 『世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法』, 英治出版) ◆鷲沢毅 (2010) 「カンボジアの電力事情」, 『電力土木(Electric power civil engineering)』,345, 129-131. ◆渡邊奈々 (2007) 『社会起業家という仕事――チェンジメーカー』, 日経BP社 ◆安浦寛人 (2005) 「BOPに向けたビジネス戦略(2025年半導体デバイスの進化予測,デザインガイア2008-VLSI設計の新しい大地)」, 社団法人電子情報通信学会,『電子情報通信学会技術研究報告』,108(301), 51-53. ◆Yunus, Muhammad. (2008). Creating a World Without Poverty: Social Business and the Future of Capitalism . PublicAffairs. (=2008 猪熊弘子 訳 『貧困のない世界を創る―― ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義 』, 早川書房) ◆安浦寛人 (2005) 「BOPに向けたビジネス戦略(2025年半導体デバイスの進化予測,デザインガイア2008-VLSI設計の新しい大地)」, 社団法人電子情報通信学会,『電子情報通信学会技術研究報告』,108(302), 51-53, ◆Yunus, Muhammad. (2010). Building Social Business : The New Kind of Capitalism that Serves Humanity's Most Pressing Needs. PublicAffairs. (=2010 千葉敏生 訳 『ソーシャルビジネス革命――世界の課題を解決する新たな経済システム』, 早川書房)
>top ◆Schiller, Bradley R. (2007). Economics of Poverty and Discrimination, The 10th Edition. Prentice Hall. (= 2010 松井範惇訳 『貧困と差別の経済学 原著第10版』, ピアソン)
人格が問題であるとする説の理論的な基礎は、人的資本(ヒューマン・キャピタル)という経済学上の概念にみられる。誰もがある一定の能力を持っているというところから出発する。問題は、その後の投資を通じてそれらの能力が開発され拡大されるかということである。学校に行き与えられた宿題をこなすことは、個人の生>8>産能力を増加するための時間の投資を表す。簿記の夜の授業を受けている小売業の店員は、その努力の結果さらに良い仕事を見つける機会を期待している。(…)
貧困の別の説明は、困窮は個人のコントロールを超えた環境から生じたものであるという。この議論、機会制約説、によると、困窮者は良い学校、仕事、そして所得への適切なアクセスを持たないがゆえに貧しいのであるという。彼らは人種や、性別、所得階層に基づき差別されているのである。その結果、少しでもよくなろうとうするための教育、職業、住宅を手に入れることができない。政府のサービスさえも拒否される。こういった外的障壁のため、少々の労働意欲や努力では貧困からの脱出は難しい。
ビック・ブラザー説と呼ばれるこの議論は、安定した家族や経済的自立へのインセンティブをつぶしてしまうのは政府のせいであると批判する。この見方からは、貧しい人々はそもそも欠点を持っているわけではない。そうではなく、政府が高い税や福祉政策、人種の割り当てなどその他の公共政策を通じて、人々の考えや行動を歪めているのであるという。これらの政策は、貧困者を助けることを意図しているが、実際は人々の労働意欲を阻害し、ジョージギルダー(George Gilder)が「依存による荒廃」(blight of dependency)と呼ぶものを作り出す。>10>たとえば、福祉による需給が得られることは、人々の働く意欲をそいでしまう。政府がオプションとして働かない人に福祉給付を与えることは、低賃金で長時間働くことを決定的に魅力のないものとする。(pp.9-10) 貧困と雇用は両立しないように思われるが、ワーキング・プアの低賃金を説明する要因はたくさんある。貧困者は、教育が低い、経験不足で、技能レベルは低く、地理的にも不利なところにいるし、職業上の訓練は間違っている。彼らはまた、低い賃金で一生懸命働く大波のような移民労働者と競合しなければならない。
所得が減少し高まる支払いに直面する高齢者は貧困に陥るリスクがますます高まる。多くの高齢者にとって、チャンスはもうなくなる。過去の労働や節約した分はたいていの場合、困窮化を引き延ばすにすぎない。では、高齢者は実際にはそのような困難な状況でどのようにやりくりしているのだろうか。それに対する最も簡潔な答えが、上院委員会における公聴会で出された:
貧困者に向けて執拗に浴びせられる2つの非難がある。1つは、貧困者は子供が多すぎるというもので、もう1つは彼らは安定した家族を維持しないというm小野である。その両方の意味することは、貧困者は人格に欠陥がある、つまり彼らは自分をコントロールできないし、彼ら自身の球場には自己責任がある、というものである。(…)もしそうであるならば、貧困者は、十分な所得をもたらす仕事を保持することが困難、または不可能であるような条件を自ら作り出し、自らの貧困を招いたという主張には幾分の正当性があるかもしれない。
欠陥人格説 歴史的にみて、黒人の一人親家族の存在を「説明する」ことにはほとんどためらいはなかった。1920年代になるまで、「獣欲説」「道徳腐敗説」や「原始的セクシュアリズム」などが、アメリカにおける黒人家庭の崩壊の多さの証明として出されてきた。そこに通底する考えはいつも、黒人は、その家族関係を道徳的、身体的、及び文化的に維持することができないので、彼ら自身貧窮に責任があるのだという。この欠陥人格説の支持者は経済的機会が増えたにもかかわらず、家族の不安定は悪化していることを強調する。そして、黒人家族の不安定の方が同じ程度の所得、教育、及び住宅事情の白人家族より高いことを指摘する。
口伝えによる採用方法は、効率的ではあるが、よい仕事からマイノリティを排除する傾向がある。マイノリティの潜在的な応募者は良い雇用機会へとつながる友人のネットワークを持たないことが多い。したがって、彼らは往々にして良い機会があることに気がつかないし、採用担当者の目に留まるようにもならない。意図的な差別はないとしても、マイノリティは実質的に新しい仕事のポジションからは断ち切られている。
>top ◆United Nations Development Programme [UNDP]. (2009). Creating Value for All: Strategies for Doing Business With the Poor. (= 吉田秀美 訳 『世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法』, 英治出版)
インクルーシブビジネスでは、支払方法や価格をうまく設定すれば、貧しい顧客やサプラ>89>イヤーのキャッシュフローの特徴に適応させることができる。その特徴とは、収入が少なく不安定であること、そして金融サービスの利用機会がないことだ。収入が少なく不安定だからといって、消費や投資がまったくできないわけではない。将来に使う分までまとめ買いするような大口の支出ができないのである。
いくつかのマイクロファイナンスのモデルは、担保や書類を全く要求しない代わりに、グループ貸し付けを通じて形成されるインセンティブを活用している。たとえば、ロシアのふぉ留守銀行は、修士を踏み倒すと、そのあと自分が融資を利用できなくなるばかりでなく、同じグループの他のメンバまで利用できなくなってしまう。返済不履行は、恥をかき、仲間から相手にされなくなるというコストを伴う制度になっているので、利用者が返済するインセンティブはとても高い。(p.92) 伝統的な農作物保険では、保険会社は損失評価によって補償金を支払う方法をとるが、多くの国で失敗してきた。この方法では、加入者は作物の損失額を実際より多く申告したり、ねつ造したりして、より多くの保証金を得ようとしてしまう。つまり、保険会社にとっては府のインセンティブが加入者に働いてしまうので、保険会社はモニタリングや農村レベルの監査を高いコストをかけて行わざるを得ないのである。
インクルーシブビジネスには、少なくとも四つの戦略が同じように重要なのだ。すなわち、制約要因を取り除くための投資、貧困層の能力の活用、他のアクターが持つ資源や能力と協力すること、政府との政策対話である。(p.96) 多くのインクルーシブビジネスは、めざす顧客層や生産者、従業員や零細事業主に対して、研修やマーケティングや教育などを実施して、知識とスキルを高める投資をしている。一方、戦略マトリックスからも分かるように、規制環境をより効果的にするという目的のための投資はあまり行われていない。企業には規制をつくったり履行を強制したいrする義務も能力もないからである。企業ができることと言えば、現行の規制を組織内で履行することか、自分たちの活動を規定するルールをつくることくらいである。
知識・スキル・インフラ・金融商品・サービスなどの制約要因を取り除くと、企業は目に見える利益を手にするだけでなく、無形の長期的な利益も得られる。たとえば、ブランドのイメージ、従業員のモラル、い企業の評判、新しい製品やサービスを開発する能力、競争力の強化などだ。これらの長期的な利益を着実に自社のものにできるならば、市場の制約要因を取り除くために行った投資は、費用対効果が高くなるのだ。(p.109) 注意深く設計された補助金の事例として、マリ共和国の家庭エネルギー開発・農村電化庁が国際援助機関の支援を受けて創設した補助金がある。農村に電力サービスを提供する企業を増やすために創設されたもので、農村への拡大にかかる費用の70%までを補助している。これで電力会社は料金をほぼ半額に設定することができ、電力を利用できる世帯が増える。電力>117>会社の利用率が20%を超えると、補助金は減額される仕組みである。(p.116-117) 貧困が蔓延し、先進国では当たり前のフォーマルな制度(契約の履行強制など)が存在しない地域では信頼がこれに代わる役割を果たしてくれるからだ。インクルーシブビジネスを成功させるためには、地域に根差すことと、信頼を築くことが、同じくらい重要である。貧しい人々が何かを決めるとき、個人的な経験や人間関係が大きな決定要素となるので、これらをうまく使えば、新規参入する企業は、彼らの警戒を解き、新しい顧客の信頼を得られるようになる。(p.130) 今ージョンは、人類学の研究や開発援助の実務から始まった手法で、単に観察者ではなく参加者として、貧しいコミュニティに長期にわたって関与するものである。企業から派遣された者やプロジェクトのファシリテーターが、スラムや農村を二〜三カ月かけて訪問し、住民との関係を築き、kその関係を生かし、コミュニティの持つネットワークの支援を受けてビジネスモデルを作り上げるのだ。(p.138) グループを使ってルールを守らせるシステムは、マイクロクレジット以外のビジネスにも形を変えて生かされている。たとえばマニラ・ウォーター社は、料金徴収システムやパイプラインからの盗水防止にグループを活用した。同社は、貧しいコミュニティで水道接続の役割を担う協同組合を立ち上げた。コミュニティ全体の水の使用量を計測するためにメーターの親機を設置し、各世帯の使用量を計測するためにはサブメーターを設置した。コミュニティとしては親機に記録された使用料の支払いをする一方で、各世帯はサブメーターの記録に基づいて、コミュニティーの代表に支払いをしなければならない。この結果、コミュニティでは誰一人として盗水を許さなかった。さらに、事業管理費はコミュニティに移管されたため水道料が安くなるというメリットもあった。(p.141)
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◆UP:100522,0523,0524,1028,1111,110226
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